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2007年 10月 19日
実を言うとボク的にはまったくノーマークの作品だったのですが、 直前に、監督が『クライング・ゲーム』のニール・ジョーダンである、 という情報を友人から聞いて、ちょっぴり期待して行ったのです。 ナマで見たジョディー・フォスターは、やっぱり小せぇなー、という感想。 そして、今回の映画でジョディーはNYでラジオ・パーソナリティーをつとめるエリカという女性を演じているのですが、 こちらのエリカ様は、舞台上で「I love Tokyo!!」と上機嫌で語り、 日本のファンに対するリップサービスを忘れていませんでした。 「撮影中のエピソードは?」という襟川クロの質問にも、 「別に……」「特にないです」などとぶっきらぼうに返答することもなく、 誠実にキチンと答えておりましたよ。 老婆心ながら、日本のエリカ様もアカデミー女優のサービス精神を見習って欲しいものです。 さて、『ブレイブワン』は一見すると、トーマス・ジェーンの『パニッシャー』(ドルフ・ラングレンのほうでもいいけど)やチャールズ・ブロンソン『狼よさらば』の女版といった感じの、愛する人が殺されたことによって冷酷な処刑人となった主人公・エリカがつぎつぎと悪を裁いていく私刑モノです。 しかし、悪者がガンガン処刑されていくのに、そこに爽快感はまったくなくて、 むしろ悪人を殺したあとの後味の悪さが強調されている。 それはエリカが善悪の曖昧な境界線で揺れ動いているからであり、 アメコミヒーローのように「処刑」に対して完全肯定派ではないからだ。 悪に対する報復、もしくは復讐を遂げたとしても 傷ついた心が癒されることはなく、失ってしまった大切がものが戻ってくることもない、という諦念がつねに付いてまわる。 『ブレイブワン』には 人を裁くのは人(あるいは法)なのか? それとも神なのか? 善悪とはなにか? 正義とは一体? という大きなテーマがありますが、 それが処刑を繰り返す主人公が抱える悩みとして表現されています。 しかし、裏テーマとしては 舞台がNYであることと、「見慣れた町の風景はもう変わってしまった」という冒頭の主人公のモノローグから、9.11、イラク戦争、同時多発テロに対する武力報復は是か否か? を問う映画になっています。 エリカと恋人が暴漢に襲われた日付けが“6月11日”だったり エリカが働いているFM局の周波数が“90.1MHz”だったりするので 嫌でも9.11を連想させる数字が登場することからもそれは分かります。 さて、問題なのは「目を疑いたくなるような衝撃の」ラストシーンです。 重大なネタバレになるので、つづきはMoreで。 『ブレイブワン』のラストは、恋人を殺害したチンピラの居場所をつきとめたエリカが自らの手で悪を裁くという緊迫したシーンです。 もちろんそれまでの伏線や善悪を問うたテーマの映画であるからして、 ニューヨーク市警(NYPD)の刑事・マーサーが現場に駆けつけて法を遵守し、エリカを裁く、というのがオチだと思うでしょう。エリカはそれまでに何人も人殺しをはたらいているわけなので、そう考えるほうが自然です。 ところが、 現場に駆けつけたマーサーはエリカに向かって「撃ってはいけない」と説得しつつも、おもむろに拳銃を取り出しそれをエリカに手渡すと、チンピラを射殺することを容認してしまうのです。 アメリカの劇場ではこのシークエンスで拍手喝采が起きたらしいですが、 「えええええーーー!????」ですよ。予想外すぎます。 このシーンを称賛するか、眉をひそめるかが『ブレイブワン』の価値を決めるメルクマールになるでしょう。 もちろんニューヨーク市警は国家のメタファーであるから、 これでは、 国家が個人に対して武器を手に取り、悪を裁くことを許可するということになってしまいます。それまで善悪や、報復の是否で揺れ動いていた主人公がラストで容赦なく悪を裁いてしまうのです。 復讐もやむなし! 武力報復は是! アメリカはやっぱり正義! イラク戦争は間違っていなかった! と、大肯定してしまっているではないか…。 チンピラを撃ち殺し逃亡するエリカの後ろ姿でこの映画は幕を閉じますが、 はたして復讐劇は終わったのか? それともエリカはこれからも悪人を拳銃でつぎつぎと断罪していくのだろうか? という疑問が残ります。 この映画のタイトルは『ブレイブワン』で“勇気ある者”という意味です。 では、アメリカ人が考える勇気とは一体なんだろう? 悪を徹底的に駆逐することがはたして勇気と呼べるのだろうか? 「もちろん、銃による復讐に走るエリカの行動は間違っているわ。でも、私たちは彼女の行動にいつしか共感してしまうの」とジョディー・フォスターはインタビューで語っていたが、ボク個人の感想としては、最後までエリカに共感することはありませんでした。 武力による報復はなにも生まない。 映画『ブレイブワン』は10月27日よりサロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国公開です。
by ganbaru_yozemikun
| 2007-10-19 01:34
| movie
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