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2005年 08月 16日
電車のなかで赤子が泣いている。グズっている。
そして赤子は泣き止まない。止む気配すらない。びえびえ〜ん! 母親は、我が子をイスに座らせたり、抱き上げたり、景色を見せたり、ペロチューをあげたり、足をさすったり、どうにかしてなだめようとしているが、赤子は車内にへたりこんで、ご機嫌ナナメだ。 「なに?」「どうしたの?」「どこか痛いの?」「お腹すいたの?」「うんち漏らしたの?」と我が子にやさしく問いかけるが、赤子はノーリアクティブ。泣いてばかりでまったく反応を示さない。しらけ世代レペゼン。しらけモード超全開である。 母親は、赤子がなにを欲しているのか、執拗に問いつめるが、赤子のガンジースタイルは鉄壁であり、ちょっとやそっとじゃ崩れない。まるでカテナチオ。それはイラマチオ。 そうしている間にも電車は幾駅か通過し、つつがなく目的地へとわたしを運ぶ。 車内には、絶え間なく赤子の悲鳴。悲鳴on & on. 「うるせぇガキだなぁー。黙らせろよ!」 360度どこから見ても、フルパワーで勤労意欲を放棄している醜いオッサンが 赤子の母親に向かって吐いた。 「あ、あの、す、すいません!」 母親は泣き出しそうな顔をして、赤子を小脇にかかると、別の車両へと移動した。 子供、セカンドバック状態。 オッサンは、邪魔な母子がどっかに行ったので、清々しい顔をしている。 この世で最悪の顔をしている。「顔面チャンピオンシップ大会〜in summer〜」が 日本国内で開催されていれば、間違いなくお前が優勝だ。来年の防衛がんばれよ。 もしくは醜顔(しゅうがん)罪で懲役3年。罰金500万円だ。 「テメぇ、さっきからナニ睨んでんダヨー!」 ダラしなく歪んだ顔は歯肉を剥き出しにして、更に形容しがたい最終フェイスへと変貌。酒臭い息がもわりと俺の顔に吹きかけられる。 あー、醜い。うるせぇカス。消えてろ。 完・全・失・業・者! 俺は孔雀王のマネをして、早九字(5文字)を組むと、 オッサン目がけて正義の念波を叩き付けてやった。 「ひゃ、ひゃはぁ〜〜〜〜〜ン!!」 間抜けな断末魔とともにオッサンは塵となり消え去った。 その光景を見ていた美女が、俺のほうへ歩み寄り、がっつり両手をつかんで言う。 「あ、あたしエルメスっていうの! ヨロシクねっ! ところで、キミすごいね。魔法使い? 魔法使いの弟子? 略してマホデシ? ねぇ、いまからホテル行こうよぉ。にゃ〜んにゃ〜ん」 っていう電車男2のオープニングなんですけど、ダメ?
by ganbaru_yozemikun
| 2005-08-16 22:02
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