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2006年 12月 12日
年齢的にもそろそろ礼服を着る機会が増えてくるだろう、と
近所にある大型紳士服ショップへ足をはこんだ。 紳士服というものに縁遠い身分であったので、いままで知り得なかったのだが、いまや礼服もオシャレ時代に突入していて、礼服=寸胴に見えてダサイ、というのは過去のハナシ。 最近では「タイトめ」のものが流行らしく、ダーツで腰を絞ってラインをキレイに見せるようなものや、脚がながく見えるものなど、さまざまな種類が発売されている。 礼服といえばダブルというイメージがあったが、 いまじゃシングルの礼服のほうが若者に売れているらしく売り場を占拠している。 「ほあー」と驚いていると、 店員のおばさんがぼくに近づいて 「ご友人や会社のご同僚の式ならばシングルでも構わないんですよ」と言った。 物腰が柔らかく、いかにも接客のプロといった風情だ。 おばさん店員の襟元には、音符マークが五線譜を跳ね上がっている形のブローチが キラキラと光っていたので、ぼくは心のなかでおばさんを「組曲」と呼ぶことにした。 ちなみにぼくは身長180センチメートル、体重はメタボリック症候群によって70キログラムまで増加したが、ヨーグルトしか食わないダイエットによって現在68.5キロまで落とした。小学6年間水泳教室に通っていたために、肩の筋肉が異常に発達しているが、骨細のため腕がやたら細長い、という力石徹(あしたのジョー)のような体型をしている。 「いやぁー7万円もするんですねえ」 「値段はピンキリですけど、黒の純度が高いものほど高額になるんですよ」 「う〜ん、シロウトにはパッと見、色の違いは分からんですよ」 「ウチではこのベスト付きの三つ揃えダブルをお薦めしてます」 「ダブルですか」 「ダブルはシングルに比べて全体的に太めですが、形状記憶素材ですからアナタの体型にあうように出来ていますよ」 「でも、毎日着ないと記憶しないでしょう? 礼服なんて毎日は着ないですよ」 「いえいえ、一度着ればアナタの体型を記憶してくれます」 「え? 未来スーツじゃん! 礼服なのに!?」 と、うっかりニューロマンサーなスーツにヤラれてしまったのだが、 「まあ今日は礼服がどんなもんか、ってのを見に来ただけなんで」と言って そそくさと帰ろうとすると、 組曲オババは、最高のタイミングで 「いまなら最大15,000円まで割引させていただきますよ。アナタのお誕生日月であれば、なんと半額まで!」と言って、ぼくの足を止めさせたのである。 「でもやっぱダブルはシルエットがねぇ…」などと、ごねて帰ろうとする ぼくの前に立ちふさがり、 組曲オババは「アナタならシングルでも平気よ。細いんだからウフンッ♪」と とっておきのチャーミングな笑顔をぼくにくれたのだった。 「ウフンッ♪」とは言ってないが、なんとなくそう言ったような気がしたのである。 そして、人差し指を立ててぼくの目前にかざすと、 「ただしね……」と付け加えて、 「仮に、仮にですよ。あくまで仮定のお話ですけどね。もし、アナタのご両親がお亡くなりになったとしますよね。不慮の事故などで突然ね、お亡くなりになります。それでアナタは長男? あぁそう長男なの。そうしたら、アナタが喪主を務めることになりますね。アナタが喪主をね、務めることがね、突然起こりうるかもしれませんよ。まあこれは仮定のお話ですけどね。で、喪主をお務めになるような場合があったとしたら、その場合はシングルはNGですよ。シングルはダメ。アナタのご両親のお葬式でね、喪主がシングルの礼服を着ていたら、親戚一同皆からね、あそこの息子さんはなんて非常識なのかしら、なんてウワサされてしまうわよ。だからアナタは、ご両親のお葬式ではダブルを着ないとダメなのよ、いい?」 と言ったのだ。きわめて柔らかい物腰で。 いつの間にか、ぼくの両親が組曲オババに殺害されていた。 ぼくは、アハハハと笑って、オババの襟元を引っ掴むとブローチをブチン!と引きちぎった。 オババは「ミファドレーー!!!!」と叫びながら倒れ、床にゴゴンと頭を打ちつけて、 そのまま帰らぬ人となったのであるチーン。 ■
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by ganbaru_yozemikun
| 2006-12-12 22:02
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